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講談社文庫版『美しいこと』を読みました。が、

うーん・・・。
この脳みそ沸騰状態で書いていいものか。

冷静に、を合言葉にがんばってみよう。


いや、本編はいいんです、本編は。

木原さんがブログでおっしゃっておられたように、
ホント、ちょこちょこっと直してあるだけで、
ほぼそのままなんで。

※っても、腐人の脳内照合によりますので、
 見落としてる可能性がないとは言いません・・・。
 あしからず。



じゃなくって、今回の問題は解説なのよ!

って、今回「も」の間違いじゃねぇのか?


いやいやいやいや、これと比べたら、
三浦しをんさんのがどんだけわかってらしたか、
よぉっくわかるってなもんで。

ホント、編集さんにお伺いしたい。

なぜ、この人選をなさった?


腐人が、この前身ブログ『腐人日記』
やろうと思ったきっかけってのは、
まぁいろいろあるんですけど、
割と大きなところを占めてたのが、編集さんに対する怒り、だ。

悪貨は良貨を駆逐すると言われるように、
駄作を世に出してれば、出版社はもちろんのこと、
その分野自体が衰退する。

編集者の無能による出版社の没落倒産は、
自業自得で知ったことか!ってところだが、
それによって作家さんが創作に専念できなくなること、
BLというジャンルそのものが劣化し、衰退することは、
BLをこよなく愛し、それによって救われてる腐人にとっては許しがたい。

ならば、この現状を打破するために、
ウェブの隅っこではあるが、
「なにやっとんじゃー!しっかりせんかー!」
文句いう人間も必要だろう、と思ったんだ。

一部の方には、余計なことしやがって・・・かもしれないが、
中にいると見えないものだってある。
そして、口に出していかなければ、
どんだけダメをやってるか、何がダメかは伝わらない。

ってことで。

それを今、再び叫びたい。

おどりゃー!なにしてけつかんねん!

しばいたろか、ぼけぇ!と続くのが定番なんですが、
そこまでは申しません。

が。

ぬるい仕事してんじゃねーっ!


は、言いたい。

編集が、作品の足引っ張ってどないすんのよ。


そらね、
感想は一人づつ違って当たり前、
どう思うかは十人十色。
人の数だけ、解釈はある。

ある人にとっての傑作が、別の人にとっての駄作であるのが
クリエイティブの世界だってことは、
腐人だってわかってる。

でも、だ。
こういうところに書くならば、
もっとね、適してる方って、いると思うんですよ。
帯にかかれていた朝日新聞の方とか。
この解説にでてきた、木原音瀬さんについて1時間語れる他社の編集さんとか。

なぜ、腐人がこの解説をよろしくない!!というかというと、
BLについてわかってないなら、
作者について知識がないなら、
ただ単に、読んで自分がどう思ったかだけを書けばいいのに、
そうじゃないから
だ。

変に偏った中途半端な知識の披露。
そして、それがもたらすピントのずれが、
腐人の怒りに油をそそぐ。

ああ・・・このずれっぷり、寛末のようだ・・・。


どうしようかな。
解説に対するダメだしやりだしたら、
噴火どころじゃなくなりそうな気がする。

間違った知識を書かれてるのは、
BLを愛する筋金入りの腐女子としてはとても気になるが、
まぁ、それで恥をかくのは腐人じゃない。

あーでも、こういうところに書いてあるから、
それは正しいんだな、とか思われたらヤだなぁ・・・。

BLって、フェミニズムの観点からしても、
ジェンダー論としても、社会問題提起としても、
いろんなものを内包してるから、ものすごく奥深いもんがあるのに。

本当にいいものは、そんじょそこらのもんが
アホらしくて読めなくなるぐらいなのに。

ホントに・・・恨むぞ、編集さん・・・。



ま、そゆことで、
人のことをあげつらうなら、自分でやってみろ、
といたしましょうか。

っても、『美しいこと』については、
本も舞台も散々書いたからなぁ・・・。

「腐人日記 美しいこと」といれてググってもらったら、
たぶんいろいろひっかかりますが、
それと重複しまくりな気がするが、ま、いいや。

常連の皆様には、またか!かもしれませんが、ご寛恕を。


腐人はこの『美しいこと』は、一言でいってしまえば、
「ヒゲの生えた人魚姫」だと思っている。

一見、は?と思われる文言だが、
このヒゲがキーなんですよ。いろいろと。

っても、それが大きく関係してくるのは
「美しいこと」の続きの「愛しいこと」なので、
未読の方は、ぜひHolly NOVELS版をどうぞ。

ホントならその続きの小冊子「愛すること」まで
コンプリートしていただきたいが、
そっちは入手が超困難なので、
せめて「愛しいこと」まではいっていただきたい。

ボケ王子・寛末のくせに、
人魚姫なオトメン・松岡にひどいことしやがるので、
ハリセンでたたきたくなること間違いなしの逸品です。

ホント、なんでこんながいいんだ?松岡…。


これが人魚姫だという理由は、いくつかあるんですが、
最も大きいのは、この「美しいこと」「愛しいこと」が、
「私が誰でも、どんなでも、あなたは愛してくれますか?」
をテーマにしていること。

この問いかけは、本文中に形を変えて、何度も何度も繰り返される。

舞台においても、ここが一つの見せ場になっていて、
見ていて胸が痛くなった。

どうしてそれにここまで共感ができるのかといえば、
この問いかけというのは、
ひいては、
「本当の私を愛してくれますか?」
「私がどんなになっても愛してくれますか?」
というものだから。

恋愛ならずとも、家族や友人といった人間関係で、
恐らく誰しもが持っている不安と期待ではないか?

誰にだって、嫌なところ、醜いところはあるし、
歳をとれば容色は衰えてくる。

それでもあなたが好きだと、
あなたはあなたのままでいいんだよと、
そう言われたいと、皆、どこかで思っているのだ。

たとえあなたが人魚でも、
そのままでいいよ、そんなあなたが好きだよ、と。



とはいえ、このお話は、悲恋で終わってしまった人魚姫と違う。

後からしゃしゃりでてきた女と戦わず
ただ泣き寝入りした人魚じゃぁないんです。

どうやったら相手に好きになってもらえるのか。
男でも、好きだといってもらえるのか。

松岡はひたむきなまでに努力する。

恋愛に限らず、人との関係ってさ、
なんもしなくても手に入るもんじゃないよね?
なんもしなくても続くもんでもないよね?

だから、松岡のがんばる姿は、
どこか自分と重なってくる。

そのせいでか、木原さんがおっしゃっていたが、
読者さんからの感想のほとんどが、
松岡の応援だったらしい。

そーだろうなぁ・・・。

あの会議室のシーンとか、
何度読んでも、寛末の首絞めたくなるもん。

そーいや、舞台でもあの台詞は、
松岡役の与那嶺さんも怒りで声が震えていた。

で、まった、寛末役の井坂さんがホントにムカつくぐらい
あのニブチンぶりを見事に演じてて、
クキッといっちゃっていいぜ、松岡。腐人が許す!
と、マジで思ったもん。

舞台は、DVDが発売されておりますんで、
まさに生きた松岡&葉子さんと寛末が見たい方はぜひどうぞ。

生と比べると、臨場感はものたりないが、
今見られる手段はそれしかないからねぇ。

あ、そうそう。
あの舞台は、福田役の役者さんもすげーのよ。
なんであんなにハマってんだろう…。



これは、恋愛ぐるぐる話だと、
Holly Novels版のあとがきで
木原さんはおっしゃっている。

確かにそうかもしれない。

でも、それだけに収まらない普遍性があるがゆえに、
ここまで我々読者の心を揺さぶるんだと思う。

腐人の脳細胞には、もうこの物語が深く刻み込まれているから、
これに初めて出会った方が、どんな衝撃と感動にみまわれるのか、
それを体験できないことが、返す返すも、口惜しい…。




最後に。

解説そのものに対してのダメだしはやめておこうと思ったが、
どうしても1つひっかかることがある。

腐人の目には、宮木さんが、
ご自身が活躍されている百合業界と比べ、
BLの読者の理解力(っつか懐の深さ?)をうらやんでいるようにみえた。

でも、それってね、最初からそうだったわけじゃないんだよ。
そして、読者が勝手にそうなってったわけでもない。

作家と、編集と、読者が、
それぞれ切磋琢磨していった結果が、今なのだ。


木原さんには、
腐人もそうだが、信者といってもいいほどのファンがいる。
でも、同じぐらい反発しているアンチもいる。

腐人なんぞが目にすることもあるぐらいだから、
恐らく、ご本人や編集さんのところには、
もっと辛らつなものもきているのかもしれない。

でも、それをどうとるか。

批判されることが嫌だからと読者に迎合し、
金太郎飴みたいなテンプレ作品を発表しつづけるのがいいことなのか?

読者のレベルにあわせて、
タイトルと頭3行読んだらわかるようなもんを書き続けることが
作家として、業界として、読者として、それぞれの成長になるのか?


木原さんは、ご自身も帯に「極北」と書かれたことがあるが、
BLの中でもちょっと特異な位置にいる。

腐人は恐らくこれまで市場にでたBLの、たぶん半分くらいは目を通し、
1作も読んだことのない作家さんはここ1~2年の新人さんぐらい
と言い切れるほどの人だが、
木原作品でしかみたことがないもの、は数多くある。

大体、ホームレスとか、清掃局勤務とか、アスペルガーを
普通、恋愛小説でやる?っつか、やれる?

腐人は木原さん以外ではみたことないぞ。


でも、木原さんはデビュー以来、ずっとそうやってこられた。

だからこそ、読者がここまで育ったのだ。

それを思うと、きついかもしれないが、
ご自身の業界や読者を嘆く前に、
やることがあるんじゃない?と、いいたくなる。


不明にて、著作も百合業界のことも百合読者のことも存じ上げないが、
なにごとも、戦って拓いていかないかぎり、
新しい道はできないと思う。

では、最後にカウントを。
(241)一般本 講談社文庫版『美しいこと』 木原音瀬


追加

・・・マジで、講談社の編集様、
次、木原さんの何かを文庫化するときは、
解説かかれる方をよぉっくお選びいただきたい。

よい該当者がいないようなら、
むしろ解説なくしてください。

そのんがよっぽどいい・・・。

頼みます!
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[ 2013/03/15 ] 腹黒読書録 | TB(-) | CM(-)