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『自閉症スペクトラム』について

まず、カウント。

(992)一般本 『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』 本田秀夫


すごーく正直なところをいえば、
腐人は昨今の「大人の発達障害」系の本が大嫌いだ。

そりゃ確かに、この分野は、近年というか、
ここ30年ぐらいで、ものすごく研究されてきたものだってのは
知っている。

でもって、それ以前は、
自閉症スペクトラムが原因による生きづらさを、
母親のしつけや愛情がなってないからだ、とかなんとか
無根拠ないいがかりで片付けられてきたことも知っている。

なので、一般認知が広がるのは喜ばしいと思うのだが、
それは同時に、言葉の独り歩きも生み出してしまった。

そこが気に入らない。

似たようなものとしては、「新型うつ」だろうか。

自閉症スペクトラムついて研究が進み、脳の問題だと判明しても、
まだ、
例えばこういう脳波だと自閉症スペクトラムだとか、
ここの萎縮があると自閉症スペクトラムだとか、
遺伝子のここの部分の配列が異なるだとかの、
客観的評価がない。

今、東大が頑張ってるときくが。

「新型うつ」も同様なので、診断が拡大され、
ただの性格的傾向なだけなのに、
便乗して「俺ってさぁ~」とかやってる奴をみると
ぶん殴りたくなるのは、腐人だけだろうか。

なので、研究者の皆さんにぜひともお願いしたいのは、
こういった疾患に関して、客観的評価ができる手法を
1日も早くみつけていただき、
本当に苦しんでいる人とそうでない輩とを区別して欲しいのだ。

みつけたから症状が改善されるというものではないが、
悪化は良貨を駆逐すると同様、
便乗人のせいで、正しい支援のありようが遠ざかることがある。

ぜひともよろしくお願いします。


で、本書の話になりますが。

上記に書いたように、確かに今、
自閉症スペクトラムとされる範囲が広がっていて、
また、用語もいろいろ絡み合ってるため、
ASDという略称を使いたいが、
正しく使えてるかどうかの自信がないので、
面倒だが、細かく書くことにする。

ってな前置きをなんでするかというと、
自閉症スペクトラムというのは、その特徴が多岐にわたり、
確かにその傾向がみられるけども、
全く問題なく社会生活が送れて、
「障害」というには違和感がある層がいるからだ。


なので、本書では、厳密に区分して考えている。

まず、非常に狭義の自閉症スペクトラムの層

これは障害の有無や程度を判断する
日常生活能力」において問題がある。

この「日常生活能力」ってのは何を指すかというと、
以下の7項目。

1:適切な食事がとれるか
配膳などの準備も含めて適当量をバランスよく摂取できるか

2:身辺の清潔保持ができるか
洗面、洗髪、入浴など衛生保持、着替え、清掃などができるか

3:金銭管理と買い物ができるか
独力で金銭管理ややりくりができるか
一人で買い物ができるか、
計画的な買い物がほぼできるか

4:通院と服薬が自分でできるか

5:他人との意思伝達や対人関係が築けるか

6:身辺の安全保持、危機対応ができるか
事故などから身を守れるか
他人に援助を求められるか

7:社会性があるか
銀行や公共施設の利用、社会生活に必要な手続きが行えるか


ここに支障がある場合は、
自閉症スペクトラム障害
といえ、障害者として公的な支援をうけなければ
生きていくこと自体が困難だ。


それから次に、併存群がある。

これは自閉症スペクトラムの特徴だけでなく、
精神疾患などを併発して、生活に支障が生じてるケース。

これも障害者として公的な支援をうけたほうがいい群なので、
この両方とあわせて、
広義の自閉症スペクトラム障害
という。

しかし、今よくいわれてる「大人の~」なんてのは、
どっちかというと、その周辺にいる
多少の生きづらさはあるものの、
問題なく社会生活が送れている
非障害自閉症スペクトラム
がメインな気がするんだよな。

だから、腐人はひっかかってんのだ。


この非障害自閉症スペクトラム
たぶん、周囲をみわたしたら、
もしかして?という人がいると思う。

腐人も心当たりがあるし、
もしかしたら、腐人だってそうじゃない?
とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれない。

腐人、偏屈なんで。


これについてのすごく簡単な分け方が
最終章にあったので、ご参考までに紹介すると、
自分および、自分の周囲の人に下記の質問をしてみよう、
っちゅーもの。

※以下のAさん、というのが、
 そうかな?と思う人のことなので、
 それが自分なら、そこを「自分は」に置き換えてください。


(1)Aさんは
「臨機応変な対人関係が苦手で、
 自分の関心、やり方、ペース維持を最優先させたという
 本能的志向が強い」
という特徴があると思う

(2)いま、仕事やプライベートで、
Aさんに関して困っていることがあり、
その要因として(1)が関係している


自分および周囲の人のいずれも、
(1)も(2)も×だった場合

→自閉症スペクトラムの傾向はない


自分および周囲の人のいずれかが、
(1)は○、(2)は× だった場合

→非障害自閉症スペクトラム


自分および周囲の人のいずれかが、
(1)は○、(2)も○ だった場合

→自閉症スペクトラム障害かもしれない


ちょっと本書から外れるが、
腐人がいろいろ読んだ中で、
一番これが役に立つ気がする…と思ったものがある。

ネットで読めるのだが、
現代ビジネスで奥村隆さんが連載されてる
「息子と僕のアスペルガー物語」というお話だ。

タイトルからわかるようにご自身と息子さんに
自閉症スペクトラムの特徴があり、
ご自身は、それこそ子供の頃は並存群だったと思われるが、
思春期のころに
自律スキルとソーシャル・スキルをうまく身につけたため、
非障害自閉症スペクトラムとして、
問題なく社会に溶け込んで生活されている。

そのご自分の過去や息子さんの話、
職場にいる非障害自閉症スペクトラムの部下とのエピソードなどが
つづられたお話なのだが、
もし自分が非障害自閉症スペクトラムならば、
どういうスキルを身につければいいのか、
また、周囲に自閉症スペクトラムの人がいる場合は、
どのように接すればいいのか、
とても参考になる。

ご興味あれば、ぜひどうぞ。


で、なんでこんな割り込みをいれたかっちゅーと、
本書のなかで、
「子供が大人になって社会にうまくでていけるかの鍵」
として、以下の2つのことがあげられてたからだ。

●自律スキル

何でも自分でやる「自立」ではなく
自分にできることは自分でやり、できないことは人に頼むという
自分で自分をコントロールする「自律」

●ソーシャル・スキル

社会性のこと
自閉症スペクトラムの人に必要なソーシャル・スキルは、
「一貫性のあるルールを守ること」
「他の人に相談できること」


ただ、自閉症スペクトラムの傾向が強い人は
ルールを守らない人を強く批判しすぎる。

その回避として、事前に↓を教えておく。

「他の人がルール違反をするのは問題だが、
 あなたがその責任者じゃないなら、
 その人への注意は責任者にまかせなさい」


本書では、支援の仕方など、
とても詳しく書いてあるので、
ご興味ある方は、本書をどうぞ。


以下は、その他もろもろの中から
腐人がひっかかったとこだけ、自分用アーカイブ。

いつものことだが、自分用は超不親切なので、
もっとちゃんと知りたい!という方は
本書よんでねー♪


●自閉症スペクトラムの子には、
 少なくとも小学校高学年まで特訓をしてはいけない
 ※ちゃんと理由があります。本書に書いてます

それまでにすべきことは、
1)保護的な環境を提供すること
2)得意なことを十分に保障すること
3)苦手なことの特訓を極力させないこと
4)大人に相談してうまくいったという経験をもたせること

●自閉症スペクトラムの特徴は、
いくら早期から支援してもゼロにはならない

ただ自律スキルとソーシャル・スキルは
できるだけ早い時期から教えておいた方がいい


●合意の習慣をつけさせる

まず事態を「構造化」する。
※「構造化」とは
→何かをするにあたって
参加者にとってわかりやすい枠組みを提示すること

それから、「合意」させてからする。
「合意」に至らなかったことはさせない。


●併発問題への対応

いじめ→
当事者、双方の親、教師がそろったかたちで話し合いをする

いじめた相手から「いじめた理由」や
その行為をいじめと認識していたかの確認をする。

認識してなかった場合は認識させて、反省を促す。

そして、相手の生徒と親から本人に謝罪させる。

それによって、
「いじめられた子が大人からしっかり守られてること」を
いじめた相手に印象づける。


●インクルージョン教育
障害のある子もほかの子と同じ教室で学ぶこと

その方針において、
日本の現状は二律背反する事態になっている。


普通学級では
「決められれたカリキュラムを一斉指導で教える」
という価値観

※例:心臓病の子にも、100m走の全力疾走を課すということ


特別支援教育では
「個別ニーズに応じて個別指導計画をたて、
 カリキュラムを改変する」
という価値観

※例:心臓病の子には、国語や算数は同じ授業をうけさせ、
   体育は見学させる、ということ


現在の教員は、
この両方をこなせるようにという状態になっていて
こういう2つの相反する関係にある価値観の間で
揺れることを両価性というのだが、
これは、統合失調症の基本症状。

…だから、現在の教育現場はかなり問題。


●ネスティングのすすめ

簡単に言えば、患者の会みたいなもん?
自分が自分のままでいられる場をつくれ
ってことでしょうかね。


…こんなとこかな?



頭で、結構イヤなことをゆってますが、
本当に苦しんでいる方は支援されるべきだと思ってます。

だからこそちゃんと客観的評価されて欲しいし、
正しい知識と、正しい理解に基づく対応法を
学びたいと思うのだ。

でも実際に対峙したらさ、
ニンゲンは感情の動物なので、
頭でわかってても、なかなか難しいんだよなぁ…。
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[ 2013/10/16 ] 腹黒読書録 | TB(-) | CM(-)
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