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『消されたマンガ』について

結構、ドキッとするタイトルだよなぁ。

だからつい手に取っちゃう。
こういうのは、タイトルが巧いなと思う。

ぐだぐだ始める前に、カウントいっとくか。

(1115)一般本 『消されたマンガ』 赤田祐一、ばるぼら

まー端的にいえば、雑誌で発表された後、
クレームが入ったり、自主回収したりして、
現在読みたくても、
当時の状態で読めなくなってるマンガたちの紹介だ。

評価がよくなくて単行本にもなれなかった・・・とか、
もしくは単行本になったが売れなくて絶版・・・とかではない。

まぁ、この辺ゆーなら、まずタイトルが
『消えてったマンガ』だろうし、
数は『消されたマンガ』の比じゃなかろう。


本書では、時代で区切りながら、約60作品ほどをとりあげ
「どういう内容で、どうして消されたか」を
説明している。

みてると、ビックネームの多いこと多いこと。
なんたって、しょっぱなが、『のらくろ』だもん。
え!?って感じでしたね。

腐人が意外だったのが、
手塚さんと藤子不二雄さんが何度かでてきてるのに
赤塚さんや石ノ森さんがでてこなかったこと。

そうなのかー。

といっても、巻末に、もっと細かく拾っていった
「消されたマンガ史」があり、
それをみると、
「ええ!?あの人も?あの作品も?あのレーベルも??」
ってなのが連発でねぇ。

ただ単にここでとりあげる許可がでなかったり、
事件として、表に出てきてないだけで、
実際に消されたマンガはもっともっと多いんじゃないのかなぁ。

や、だってなんつーか、
この頃(1950~70ぐらい)は、
取り巻いてる周囲というか環境がおかしいんだもん。

そら確かに今も、表現弾圧はある。

でも、だ。
今の大人たちは、マンガを読んで育ってきてるから、
マンガに価値があることもわかってるんだよな。

だから、いいものはいいとしてくれる部分がある。

それに対し、
それこそ1950~70年代に親だった人たちってのは
マンガに対しての知識も免疫もない。

こんな絵のついてる本なんて!
っちゅー、そこの段階からの嫌悪だからねぇ。

マンガの存在そのものが許せないんじゃなかったのかな。

だからか、弾圧内容みてると、
たまに
「??これのどこが??」
と思うものもあった。


この消される理由ってのは、
大きく言うと4つあって、

1)政治
2)差別
3)エロ
4)トレース、盗作


なんだそうだが、
近年消されたものの多くは、著作権がらみだ。

はっきりいっちゃえば、トレース問題。

これは技術が進んだ今、
やろうと思えば簡単プーにできてしまう。

それを止めるのは、物理的な何かではなく、
精神的な自律だけである。

なるほど時代を映してるなぁと思う反面、
腐人は、これについて、一番ひっかかりを覚えた。

これちょっと長くなるんで後回しにして、
順番にいこう。



まず、1)政治

まー簡単にゆーてしまえば、
右や左の思想系に絡むアレコレや、
隣近所との歴史問題のアレコレ。

腐人なんかにしてみたら、
「触らぬ神に祟りなし」だと思うが、
表現者さんたちはそうではないようで。

戦後ほどない頃に比べれば、総数は減ってるものの、
やはり、アンタッチャブルな辺りを題材にして、
ちょっとドギツイ表現をすると、即問題になるみたいだ。

っても、巻末に、
消されたマンガたちの関係者数名のインタビューがあるんだが、
大手出版社ならまだしも、
小さい出版社が出した本に注目してもらおうとすると
どうしても、表現がギリギリにならざるをえない
ってな話があり。

なんとも難しいもんだなぁと思う。

ただ、個人的なところを言わせてもらえば、
100人が100人、納得することってありえない。

だから、そういうのを題材にする限り、
ある程度の反発は致し方ないもんである。

問題は、
その反発をくらう覚悟をもって発表してるかどうか、
じゃないのかな。

その覚悟がないなら、これを題材にしてはいかんだろう。



続いて、2)差別

これなぁ・・・・・・
言葉狩りというか、表現狩りというか。

はっきりいってしまえば、
人種や部落、障害者といったあたりの表現問題だ。

腐人はどっちかというと無神経で鈍感なので、
率直なところをいえば、
なんでこんなことで過剰に反応するんだか、
分からないことのが多かった。

だってさ、どんなに言葉をキレイゴトにかえたって
存在は、存在なわけで。

それをAといおうが、Bといおうが、
存在してること、してたこと、そのものを
なかったことにはできんじゃん。

黄色人種の肌が、黄色っぽいのも、
黒色人種の肌が、黒っぽいのも、
白色人種の肌が、白っぽいのも、
サルに毛があり、人に毛がないのも、
人の歴史には、差別がつきものであることも、
どうしようもないことだろうと思うんだがなぁ。

むしろ、どういったってひっかかるなら、
ソレが存在しない世界にしとこうってするほうが、
おかしくないか?

なので、腐人は上の政治に比べれば、
これは大いに取り上げてくべきだと思うんだけど。
そして、どんどん啓蒙してったほうがいいと思うんだけど。

っても、結果、誤解や誤りを生むような表現はいかんと思うが、
事実は人の数だけあるからねぇ。

たださ。
マンガはわかりやすく目立つから、摘発を食らう。
文字はそうでもない。

って図式が、腐人は存在してると思う。
それがね、マンガを愛するものとして、非常に腹立たしい。

叩くなら、目立つやつ1匹をみせしめにするんじゃなくて、
頭出してるモグラ全部を叩こうよ。

でないなら、ゆってることややってることの正当性に
腐人は疑問を感じるぞ?



そして、3)エロ

・・・これ、腐人に言わせりゃ、
「男を全部去勢すりゃ、いいだけの話。以上」
なんだがな。

上の「差別」同様、
現実に、女性器も男性器もセックスも存在する。
マンガでいくら描かなくたって、
今、この瞬間にも、
誰かと誰かがバッコンバッコンやっている。

だからね。
こんなのみせて教育上よろしくないっちゅーならよ、
ブツを物理的になくしちゃえばいい。
じゃね?

そんなことしたら困る?
おいおい、嘘いっちゃぁいかん。
困るのは射精産業ぐらいだろうが。

男にチン○ンなくなったって、
種さえ保存されてりゃ、無問題。
そもそもオスは生きてるムダである。

そんで、食糧とエネルギーから
必要数だけ人間を生産し、飼育する社会にかえたら、
社会としては、困るどころか、
今、抱えてる問題の8割は片付くぜ?

そしたら、マンガでどんだけどぎついもんみせたって、
そこから性犯罪に走れんし。

勉強そっちのけで、
アホになるほどマスもかけんし。

いっそのこと視床下部に電極つっこんで、
性欲覚えたら、死なない程度の電気流すよーにしたらどう?

悪いのは表現でも、性欲でもない。

理性でコントロールすることができない
下半身じゃぁないのかい?



最後に、4)トレース、盗作

これなぁ・・・・・・
前身ブログの腐人日記で、
『あらゆる小説は模倣である。』
とりあげたときやらに何度も書いたとおり、
腐人は、今の世の中に、オリジナルはないと思ってる。

だから、トレースしてなくても、
どこか以前みた何かと似てるって、絶対に起こるのよ。

だって、人はそれを積み重ねて自分の知識や経験にしてんだもん。
そんでもって、今、この時代は情報があふれまくってるんで、
見たくなくても、聞きたくなくてもどんどん情報が襲ってくる。

人はもう、その影響から逃れることはできない。

なので、こんなことぐらい(と、言わせてもらう)で、
マンガが消されるなんて、バカも極まれり、だ。

コレ、簡単な話なのよ。

明らかにトレースするなら、する前に許諾取れ。
で、請求されたら、金払え。
そして、忘れずクレジットいれろ。


そんだけじゃん。

なぜ、その手間を惜しむ???
そんで、結果、回収騒ぎだ、絶版だって、
どー考えたって割りにあわんでしょう。

作家さん本人が許諾とってる時間がないなら、
それこそ、それは編集の仕事だ。

ネーム作ったときにでも、
ここにこんなカットいれたくて、
この写真をトレースするんで許諾とっといてください
って編集に頼めばいい話じゃねぇの?

っちゅーか、マンガじゃない編集部では、これ常識じゃね??
実は「引用」なら許諾いらんのに、
それすらも許諾とるぐらい、過敏になってるけどなぁ・・・。


作家さんも編集さんも、許諾とるのが面倒だというなら、
それこそ、さいとう・プロダクションを見習えばいい。

※さいとう・プロダクションでは、
 模型を使って、自ら構図をとったもので描いてる。


NHKの「探検バクモン」で、
さいとう・プロダクションに潜入した回をみたが
そのために、モデルガンとか武器類(もちろん模造品)が
大量蒐集されていた。

さいとう・プロダクションぐらい傾向が固まってる
長寿連載ができるなら、
こんだけの初期投資しても十分元がとれるだろうけど、
一般的なトコ言えば、そんな連載が出来る人のほうが少ない。

腐人はこっちのが大変だと思うがなぁ・・・。


たださ。
ちょっと今、どの作品だったか思い出せないんだが、
この回にだけ、ちょっと使わせてください、
っちゅーて許諾とって、
実際は、その回だけどころか、その後もバンバン使ってた
とかゆーのがあったが、それはあかんでしょ。

こーゆーたらなんやけど、
自分が逆の立場になったときのことを考えてみたら
許諾をきちんととって、使用範囲を守らないとならないっての、
すぐわかると思うんやけどねぇ。


ま、なんにせよ、はっきりいって
こんだけ巷に作品があふれかえってる状態だと
トレースやら類似アイデアやら、
するつもりがなくてもそうなってしまうことが、
今後、多発するのは間違いない。

この先、TPPで、著作権侵害が非親告罪化したら
ネットで炎上どころでは済まなくなる。

その前に、
これについては関係者の意識改革をしたほうがいいと思う。

あ、ちなみに、一言一句同じ盗作は別よ。
これはどんな言い訳も通用しない。



なんか寝た子を起こすようで、心苦しいんだが、
腐人としてはどーしてもひっかかっちゃったのが、
西原理恵子さんの『毎日かあさん』と、
末次由紀さんの『エデンの花』

どちらも腐人が好きで読んでる作家さんなんで、
え?え?と思って経緯を読んだんだが
(本書で読むまで知らなかった)。

まず『毎日かあさん』だが、
授業参観をネタにしたら、
学校からクレームが入ったという話だが、
ネットにあふれかえってる個人メディアはいいってどゆこと(~_~)?

そっちのがもっと露骨で悪質で、
いじめや犯罪を誘発する要因をもつのがあるでしょうに。

こーゆー姿勢、差別のとこでも書いたが、腐人は大嫌いだ。


それから『エデンの花』

まぁ、これは上で書いたとおり、
作家と編集の認識が甘かったっちゅー話なんだけど、
腐人は末次さんの存在を『ちはやふる』で知った。

読んで、とても面白いし、
マンガ表現がむちゃくちゃ巧いので、
他の作品が読みたくなったのだ。

※腐人は、おもろいなと思う人に出会うと、
 既出作品を読めるだけ読み漁る人である。
 そうすることによって、
 作家さんそのものがみえてくるとこがある。

そんで、いろいろ探したんだが、
『ハルコイ』と、
『クーベルチュール』ぐらいしか
みつからない。

なんかすごく不自然だなぁと思ってたら、
まぁ、この事件により、
過去のコミックスが回収・絶版になってるそうだ。

これって・・・そこまでされることかい?

確かに、当該物には問題がある。
でもそうじゃないのまで排除される必要があるのか?

腐人はそれは過剰対応な気がする。

罪は人にあるんであって、
モノにはないと腐人は思うんだがなぁ・・・。


それに、謝るべきは、読者にじゃないでしょ。

最初に謝罪をし、許しを乞わなきゃならない相手は、
無断借用した井上雄彦さんじゃない?

そして、謝罪と賠償金という形で(・・・っても、いらんだろうなぁ・・・)
謝意と誠意を表して、相手方が許して示談が成立すれば、
クレジットをいれるだとか、
その該当部分を修正するだとか、
了解を得られる形に変えて
再版することは可能になると思うんだが。

なんかなぁ・・・なんか違和感。

・・・まぁ、政治や差別のように、
ポリシーがあってやったことじゃないから
そこまでこだわらない、
黒歴史としてそこはフタして終わりでいいの、
なのかもしれないが。

なんだろなー・・・
なんか、ね、
腐人は、この一件、すっきりせんのよ。

なんというか、
「読者様は神様だ」
になってるのが、すごくおかしいと思うの。

そらまぁ、腐人は当時を知らないが、
恐らく、そのまま流通させてたら、
ひどいバッシングになっただろうから、
自衛した、ともいえるんだろうけど、
なんか論点がずれてる気がするんだよなぁ・・・。

そして、過剰に過敏な自主規制をしてる出版社の姿勢に
ものすごく疑問を感じる。

そのくせ、昔の編集者ほど覚悟がなかったり、
認識が甘く、手間を面倒がってるように見えるし。

腐人の気のせいですかねぇ?
この過剰反応の裏に、何かがあるような気がする。


ま、なにはともあれ、
ここで絶版扱いになってるあれこれも、
どうやら国会図書館には所蔵があるようなので、
リストアップして、腐人の老後の楽しみにすることにしよう。


男性向け作品に偏ってる感はありますが、
非常に得るものがたくさん詰まった、
興味深くおもしろい本でした。


本日はこんだけー。
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[ 2013/11/26 ] 腹黒読書録 | TB(-) | CM(-)
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