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『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』と、もやし

本当に偶然なんですが、
なんか呼びこむもんがあるのか、
ここのところ、「パン」「発酵」「種麹、種麹屋」がらみの本が
やたら集まっている。

別に集めた覚えはないんだが、
こんだけ集中して読むと、
こっちの本だけではわかんなかったことが
そっちの本でわかったり、
そっちの本ではいまいち理解しきれんかったことが
こっちの本のおかげですとんと落ちてきたりする。

で、腐人、『もやしもん』でやたらと
「もやし」「もやし」とでてきたものを
いわゆる、お野菜の、
1袋20円ぐらいから売ってる「モヤシ(表記をあえてカタカナにします)」
あれだと思っていた・・・。

なんで野菜のモヤシ農家に、麹菌がいるんだろ・・・
とか、トンチンカンなことを思ってたんだよなぁ・・・
はっはっはっはっは。(笑うしかない)


そんな腐人のような方のために、
本書で得た知識をおすそわけすることにする。

まず、カウントからはじめましょかね。

(926)一般本 『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』 渡邉格

本書の話は、とりあえずあとまわしにして(←おい)
「もやし(種麹)」の話。

麹菌ってのは、日本の国菌といわれる菌だそうで、
東洋にのみ存在してるカビだ。

日本は昔からこれを使って、味噌や醤油、漬け物、お酒など
発酵食品を作ってきた。

安定した製造ができるようになったのは、室町の頃だそうで、
その後、江戸になって各藩にお抱え種麹屋(もやしや)ができ、
明治になって、科学がはいってきて
「純粋培養」で種麹(もやし)を作り始め
今の種麹屋さんにつながる、と。

確かそんな感じの歴史だったと思うが、
えー・・・ちょっとウロ覚えなので、
ちゃんと知りたい方は、本書をどうぞ。


現存する種麹屋(もやしや)さんは、全国に10社(1985年のもの)。
あと、個人でやってらっしゃるかたもあるようで。

醤油や味噌、お酒のメーカーさんたちは、
この種麹屋(もやしや)さんから、「純粋培養」の種麹(もやし)を購入し、
食品を発酵させて商品をつくる。

ちょいと前から流行ってる塩麹だの醤油麹だのも
その先をたどっていけば、
これら種麹屋(もやしや)さんにつながるはずだ。

だーっ!
もう、種麹屋(もやしや)、種麹(もやし)と書くのが
面倒になってきた!!
音としては、「もやし」のが好きなんですが、
文でみるなら、「種麹」のがわかりやすいかと思うので、
以下、それでまとめます。

でもって、ここまで「純粋培養」と
あえて「」表記してきたやつについても、意味がある。

『もやしもん』で、直保が菌をみて
「これうちの」
というじゃないですか。

麹菌は麹菌だから、どれも一緒やろう・・・と
腐人は思ってたんですが、これ違うんですね。

そもそも菌ってもんは、
見えないだけで、そこかしこにうようよいるし、
空中を「醸したるぞー」とふわふわしとるんです。

これ、イメージがわかなければ、
『もやしもん』を読みましょう。
ふわふわ、うようよが、絵になってます。

で、これを「天然菌」という。

だから、やろうと思えば、
一般人でも麹菌を作って増やすことができるんです。
別に免許もいらんし。

ただ、だ。
菌ってのは、ものすごくワガママ、いや繊細なのか・・・で、
うまくいけば「発酵」するけど、悪くすると「腐敗」する。

でもって、天然にふわふわうようよいるのは、
雑多な菌もいっぱい混じってるので、
暖かくすると、別の菌がぶよよよ!と増殖したり、
湿気を多くすると、また別の菌がぞわわわわ!と増殖したり。

欲しいんは、おまえらちゃうねん!こいつやねん!
と、
なかなか、人の都合でうまいこといってくれんのですね。

そこを、「俺にまかせな!」と登場してくるのが
「純粋培養」の種麹。

これはイースト菌もそうなんだけど、
種麹屋さんが、使う人が楽になるよう、
ある種(株ってゆっていいのかなぁ?その辺の表現がよくわからん)の菌だけを
「純粋」にとりだして、「培養」してくれてるんですわ。

なので、話の頭に戻りますが、
『もやしもん』で、直保が菌をみると、「これうちの」
と、判別がつくほど、種麹屋さんがもってる麹は、
これはAさんの、これはBさんの、という感じになっとるんですと。


で、この本書を書かれた渡邉さんは、
岡山の勝山でタルマーリーというパン屋さんをやってはるんですが、
この種麹を、「天然菌」から作らはったんです。

そこが、他のパン屋さんと違うところ。

なんでそないなったかってのには、
経済の話やもろもろが関わってくるんで、
ご興味ある方は本書をどうぞ。

で、こちらは、パンと麹の話をすすめますが、
上で書いたように、「天然菌」は、菌の都合でしか動かない。

なので、かなりの試行錯誤をなさった上で、
なんとか成功し、
もうちょい改良したいと思っていたところに震災があった。

当時、千葉でお店をされてたんですが、
小さなお子さんがいらしたので、
どうしても不安があり、西日本に移ることにされたそうだ。

そして、パンがさらによくなる、いい水があること、
いい「天然菌」が宿っている古民家であること、
そういった条件で物件を探し、
数年前から岡山に移住された。

そう、麹菌って、昔の家じゃないとうまく繁殖せんらしいのです。
※ここについても、詳しく知りたい方は本書をどうぞ

で、そこまでこだわって作ってるパンですが、
店は木曜から日曜までしか開いておらず、
ネットの注文も今は休止中(予約が多すぎてさばけないらしい)。

本書に、パンの写真が載っとるんですが、
それを見た、パン好きの血族が唸った。

「これ、食ってみたい。
 このクープの伸びは、半端ないぞ!」

確かにな。

腐人はパンが大嫌い、
特に発酵しまくりパンは絶対無理!な人なんですが、
だからこそわかる。

これは・・・このパンは、グルテンがバリバリに機能し、
食感は、外はパリパリだけど、中はもちもちして、
かめばかむほど味がでる。

でもって、みっちり、ずっしり、重みもあって、
中身はきめ細やかかつ、ジューシィで。

腐人は100%食えんのだが、
世間一般的には、「美味しいパン!」といわれるやつだ。

ご興味ある方は、がんばって岡山いってゲットしてください。
行ったら必ずソレがあるとも限らないし、
売り切れごめんらしいです。



ところで。
これを読んで知ったのだが、
パン職人さんの多くは小麦アレルギーなんだそうで。

原材料の小麦に使われている農薬などが影響し、
鼻炎や、手あれが職業病になってると。

しかし、自然栽培
(これは木村秋則さんの『奇跡のリンゴ』参照のこと)で
作った小麦でパンを作ると、アレルギー症状がでないそうで。

ふーん・・・・・・・・・・・・ん??
あれ?
日本産の小麦で、パンできるの??

『焼きたて!! ジャぱん』にあった話で、
国産小麦は、パン作りに適してないってなのが
あった気がするが。

じいちゃんが作った小麦も、うどん粉になってたし。
うどんも実はオーストラリア産がいいとか読んだなぁ・・・。

まぁ、でも自然栽培されてる方々と組んでやっておられるので
国産の自然栽培小麦でもパンはできるんでしょう。



続いて、ちょいと、本書のもう1本の柱である
経済の話の方に、触れていきますが、
腐人は、木村秋則さんの
『奇跡のリンゴ』の本も読んだりしたので
本書にある、作物そのものがもつ生命力云々ってのは、
わからんでもないんですが、
まるで宗教のように、有機栽培やら、自然栽培やらを尊ぶ風潮は
好きじゃない。

なんでだったら、簡単な話、
管理農業、大量生産をやんないと、
今、地球上にあふれかえってるニンゲンの数、
養えないんですよ。

皆が自然栽培で取れる食い物だけを食う生活するならさ、
恐らく、ペニシリンが登場する前ぐらいまで
ニンゲン減らさないと無理だと思う。

赤子や病人は基本放置、
生命力がありゃ生きるし、なきゃ死ぬ。

自然災害や病気などが流行って生産量が減れば、
それにあわせて、ニンゲンも飢えて死ね。

そういう世界でよきゃ、
多くの人が自然栽培のものを口にできるだろう。

でも、実際にこんなことは公言できんよね。
弱いやつは死ね、なんて。

腐人はあえてゆっちゃってますが。

だから、腐人は、有機栽培も自然栽培も、
したいなら黙ってすりゃいいじゃん、と思ってる。

逆に、ジャンクバリバリでいいんだ、俺はってのも
したいようにしたらいいと思ってる。

コレに限らず、腐人がいーっちばんイヤなのは、
己の信条やら方針を他人におしつけてくることだ。

いいじゃん、したい人がしたいようにやったらさ。
なんでそこで、他人のことをとやかくゆーんだか。

多様性だなんだとかよくゆーが、それって、
「よそはよそ!うちはうち!」
これが大前提の基本じゃないの?

その中で、「ええやん!」と思ってくれる人が
賛同して店やら商品やら人のファンになってくれたら
そんでええんちゃうんかねぇ・・・。
なんで他人を否定し、自分を押し付けるんかなぁ・・・。


話を経済の方に戻しますが、
タルマーリーでは、
生産者も、製造者も、
ちゃんとその労働にあった価格を商品につけて、
消費者に購入してしてもらうことを方針にしている。

なので、その価格は安くない。

これについては、
腐人も、確かに世の中、そうなったらいいなと思う。

腐人も買い叩かれ商売だからさー。
でも、買い叩きもしとるけどな・・・(;一_一)

実際、物の値段が安くなるってことは、
まわりまわって、己の給料を下げてるんだってのは
このブログでも何度も言っているし。

まぁよく「フェアトレード」とか言われてるやつも、
恐らくこの考えの一環だと思う。


ただ、だ。
そこから「利潤」を生まない「腐る」経済にしよう、
ってのは、ちょっと疑問。

この「利潤」を生まないってのは、
商品売り上げから、
生産者に適正な原材料費を支払い、
製造者に適正な労働の対価を支払ったところで、
残金ゼロになる状態、
と言っていいのかな?

ちなみにこの、
「製造者に適正な労働の対価」
ってのは、
ここでいえば、渡邉さん一家だけで店を切り盛りしてたとすれば、
家族4人が暮らしていけるだけの収入
(月15万あったらやってけると書かれていたが)。

そこにパン職人を雇ったり、販売員を雇ったりしてたとすると、
その人とその家族が暮らしていけるだけの賃金のこと。

これ・・・
なんかものごっつい乱暴な気がする・・・。

店となってる家のメンテナンス費の積み立ては?
パンの製造に必要な機械類の設備投資費用は?
原材料費が高騰したり、
不作で入手できなくなったときのための備えは?

そういう費用をどう考えているんだろうか。

それにこれは家族が皆、健康であることが前提。
それに事故やら天災やら不測の事態が起こらないことが前提。

さらにいえば、いくつまで労働するの?
死ぬまで働くつもりでいても、
何があるかわからないのが人生でしょ?


ものごっつい極端な話をすれば、
家族が健康で、老親も迷惑をかける存在でなく、
事故も天災もすべて避けてくれて、
死ぬ間際まで働ければ、それでいいかもしれない。

でも、家族が大病したら?
老親が浪費しまくり、勝手に借金して保証人にしてきたら?
配達途中で事故にあったり、事故を起こしたりしたら?
天災で店がどうしようもなくなったら?

そういうことのために「利潤」をあげて備えとくんじゃないの?

まぁ、そうなったら皆で首くくればいいさ、
と思っておられるならいいんだが。


ちょっとね、最後かなりきついことゆってますが、
腐人としては、もってる理想はいいと思うけど、
一方向からだけしか物事を見ないで欲しいなと思うんだよな。

で、それを断定的に語らないで欲しいなと思うんですわ。

私はそう思ってます、
他人にそれを押し付ける気はないけれど、
じゃ、ダメなんかねぇ・・・。

腐人はどーしてもそこがひっかかってしまった。



とはいえ、この本、
韓国で翻訳して出版されたそーなんですが
売れてるんですと。

で、韓国人がわざわざ岡山に行ってるんだそうで。

腐人はそれで「へー、じゃぁ読んでみるか」と思ったんですが。

腐人としては、
どうして韓国人がこの本に興味をもったのか、が
知りたいところだな。


ま、腐人のような偏屈モノには、少々ひっかかるところがありますが、
パンの話といい、麹の話といい、経済の話といい、
なかなか興味がつきない本でした。

本日はここまで!
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