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『羊の木』について

まいったな・・・ってのが、読後第一声かなぁ。

あ、これ、好き放題書きますので、
先入観入れたくない人は回れ右して帰ってね~。

いつもなら「ネタバレ」って言葉を使うんだが、
これはいくら書いても「ネタバレ」にならないようななるような・・・
その言葉が正しいのかすらもわからないお話なんで。

ゆったかんねー!


さて。
ここに散々書いてきてるので、
読んでくださってる皆様、おわかりかとは思いますが
腐人は、ただ感じる、という物語は苦手で、
つい、意味とか、結論とか、どうすればいいかとか
お話をまとめて片付けたくなる性質だ。

なので、これも4巻ぐらい読んだところで
「どうしていれば、こうならなかったか」
とかをついつい考えてしまった。

最初から公表して受け入れればよかったのか、
でもそれは、
「前科等に関わる事実を公表されない法的利益」
にそむくことになるわけで・・・
でも、アメリカだとミーガン法とかあるし・・・
それになにより公表することで何が変わるのか、
うーんうーんうーん・・・・・

とまー、結論、でないんですよ。

で、5巻を読んで、その終わりの方に会った言葉

「またなにかひと騒ぎ起きるだろうか
 それでもいい
 我々は生きて行くだけだ
 それ以外になんの望みがあろう」


※以下、青字はすべて本書からの引用です

これ読んで、なるほどなーと思ったんだ。

っても、この「なるほど」があってる自信なんて
カケラもないけども
なにをなるほどと思ったかを
頑張って言葉にしてみよう。


村中、皆が知り合いで~ってな環境でなければ、
地縁が崩壊している現代、
あなたの隣に越してきた人が、元殺人犯でない、と
言いきることはできますか?

腐人はNOだ。

血族たちは近所づきあいが好きなので
いろいろ知ってるが、
腐人が仕事してる巣にいたっては、
隣は何をする人ぞ?という環境なので、
絶対に言い切れない。

ってか、それ以前に隣人の顔すらわからんわ。

でも、腐人は今日もここで生きている。

テレビをつければ日本のあちこちで
今日も新しい死体がみつかり、事故が起こり、
悲しみにくれる遺族がいる。
もしかしたら、明日はここで
そういうことが生じるかもしれない。

でも、腐人は今日もここで生きている。

人を殺したり、暴行したりした人の裁判が今日もあり
日本全国では幾人もの人が刑務所に入り、
幾人もの人が刑務所からでてきて
新たな場所で、人生の再出発を始めている。
それがここかもしれない。

でも、腐人は今日もここで生きている。

・・・こういうことなんですよね。
それが人が作り上げた社会の制度。

そこからどうするかは、個々人が己に問うことだろう。


最近、トラブルをやらかして、迷惑をかけたほうが
「お互い様」をつかうもんだから
あんまり好きじゃなくなりつつある
「お互い様」という言葉がある。

でも、本書にでてきた
「ほんの少しだけ愛を多く賜りたい」
ってのは、
迷惑をかけられ、やらかされたほうにこの思いがあれば
「お互い様」という気持ちになれるのかなと少し思った。

ただ、だ。

やらかされたほうがそう思うためには、
やらかしたほうが
その状況にあぐらをかいてたらダメだと思うんだ。


また発言小町で申し訳ないが、少し前になるが
ちょっとそのことを考えてしまう
新幹線でのトラブル話があった。

1つは、ギャーギャー泣いてうるさい子供。
でも、親はデッキについれていくとか、
車掌に相談して多目的室に一時うつるとか
そういった配慮を全くみせず、我関せず。


もう1つは、妊婦さん。
昼時の東海道新幹線で
移動の間に食事をしようと弁当をあけたら
隣の席の女性が、妊娠しててつわりがひどく
匂いで吐きそうになるから
食べるのをやめて欲しいと言ってきた。

トピ主さんは食べるのをやめたが、
昼時なので他の乗客が同じように弁当を広げはじめ
その妊婦さんは、同じことを言いに言ったが
そのサラリーマンたちは
「それはできない。
 着いたらすぐ仕事なので
 この時間に食べなければこちらも困る。
 多目的室にいくなど、そちらが移動すべきだ」と。

でも妊婦は動かず、隣でえぐえぐやってたので、
気持ち悪くなってきたトピ主さんは
車掌に頼んで、自分が別の席に移動した、というもの。


こういうのがでると、
「子供なんだから泣いてもしょうがないじゃない!」
「子連れはどこにもでかけるなっていうの!」
「妊婦なんだから、もっと気を使いなさいよ!」
「妊婦に、昼じゃない時間にずらせっていっても、
 そこじゃなきゃだめな理由があったかもしれないじゃない!」
ってなご意見が、
今のところ少数ですが、でてくるんですけどね、
そういうの読むたびに、
違うんだって、と言いたくなる。

子供だから、妊婦だからと開き直る前に、
やることあるだろう!と。

子供がギャン泣きしてたトピでも、
親が必死で泣きやませようとしたり、
周囲に迷惑をかけてることを恐縮して移動したり、
泣いてる子供の親が、そういう態度をとれば、
周囲の人も、
「いいのよ、大変よね」
という気になるが、
そういうそぶりを全くみせず、我関せずな
その親の態度が腹立たしい、ってあったのね。

妊婦さんのトピでも、
平日、昼時の東海道新幹線という状況に
例外なことをもちこんで
迷惑を主張してるのは妊婦さん。

なぜ、自我を抑えて、
その場所にあわせようとしないのか。


ここで、話を本書に戻すが、
移住してきた元受刑者たちのなかで、
かつての自分の性根をどうしても変えようとせず
トラブルを起こし続けるのがいた。

そいつに、元受刑者が言う。

「世の中には
 自分に勝てるヤツと負けるヤツの
 2種類しかいねえんだ」


「負けたっていいさ
 居場所があればな。 
 人は居場所さえあれば
 生きて行けるもんだ」


ギャン泣きする子供を放置してた親も、
自分の都合で他人の食事をやめさせようとしてた妊婦も
自分に負けてるヤツにみえるのは、
腐人だけだろうか?

例え自分に負けても、
そこで心底ごめんなさいという殊勝な態度がみられれば
「いいのよ、大変よね」という
ほんの少しの愛がもらえて、そこに居場所ができるのに。

そこであぐらをかいてしまうと、
ほんの少しの愛がもらえず、その居場所すらなくなるのに。

どうしてそれがわからないんだろう・・・。

まぁ、この元受刑者たちのなかには、
本気で酒を断たないと、
居場所なくしちゃうんじゃない?という気がする人が
いないでもないが、
そのたびに反省をして、治そうとはしている。

ほんの少しの愛だから、
いつまでもそこに甘えていたら
居場所を取り上げられると思うが
自分に勝とうと頑張って行けば、
いずれは勝てるんじゃないのかな。



話がコロリと変わりますが、
この『羊の木』を読んでて、
腐人がひっかかった台詞がもう1つある。

それが、これ。

「我々はなにを為すべきかわかっていても
 一人ではやれないだけ」


これねー、腐人には今、欧州で問題になってる
難民のことが重なってみえてくるの。

難民問題ってなんで起きるんでしょうね。

要するに自分が住んでた場所で、
問題なく暮らせてれば、難民問題って起きないわけだよね。

したら、難民をどうやって受け入れていくかってことを考えるより
彼らが住んでた場所に問題なく暮らせるようにするには
どうすればいいか?
ってことを考えて実行することが
一番てっとりばやい解決な気がするんだよね。

まぁ、受け入れ国が
土地が余ってて、金も余ってて、労働力が足らなくて、
移民カモーンな状態だったら話は別だが
今、世界中のどこ探したって
そんな国はねぇだろうなぁ・・・。

ってなこと考えたらさ、
密入国しようとしても、ボートが転覆して死ぬかもしれないなら、
その命を、皆で団結して、自分たちの国を牛耳ってる連中を
排除する方向に使おうとは思わないのかな?

まぁ、一致団結するには、リーダーがいるし、
そうやってやった結果が、
各国で起こってる内戦だったりするんだろうけど
難民が何万人、何十万人、何百万人という報道をきくと
それだけの人数がまとまればかなりの力になるだろうに、
自分たちで排除しようと思わないの?
と疑問がわくんだよなー。

ちなみに、血族にこの話をしたら、
武器弾薬をもってる相手だから
そう簡単にはいかないだろう、
と言われたが、
じゃぁ、それを奪って
こっちのもんにしたら形勢逆転じゃない?と思うし、
それ以前に武器庫を破壊したら?と思うし、
それ以上に人さえいなくなりゃいいんだから
(以下、自主規制)
をしたらどうかと思うんだけど・・・。

自分や家族が生き残るってことを考えたら、
やっぱ逃げることのが正解なんかねぇ・・・?

でも、それは・・・
何にも根本的な解決になってない気がするのは
腐人だけですかね。


ま、こんな感じに、
読後感は決してすっきりという感じにはならないが
いろんなものがわーっと降ってきて
言葉にしがたい思いが、ぶわーっとわいてくる。

なんつーか・・・これは読んで感じてみてください、としか
言い様がないわ。

これがたった5冊だなんて・・・
お二人の作家の才能に、感服しました。


最後に書誌情報をもう一回書いときます。

(700)マンガ 『羊の木 1』 山上たつひこ、いがらしみきお
(725、726)マンガ 『羊の木 2』『〃 3』 山上たつひこ氏、いがらしみきお
(727、728)マンガ 『羊の木 4』『〃 5』 山上たつひこ氏、いがらしみきお


ありきたりなマンガを読み飽きた方は
一度試してみてくださいな。
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[ 2015/09/08 ] 熱く語るぜ!読書録 | TB(-) | CM(-)
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