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『加害者臨床』について

この本は、いわゆる事件の「加害者」について、
研究者や家裁の調査官、児童相談所、弁護士、
その他関係各所の方が論じた小論文集、
とでも言えばいいのかなぁ?

それぞれがそれぞれの立場で論じてるので、
腐人としては、その見方、書き方、感じ方の違いが
ものすごくおもろかった。

って、あんたがみてんの、加害者やのうて、書き手かい!

ま、その傾向が顕著にあることは否定しません。

だって、その人が、いったい何と向き合ってるのか、
それによって、全然文章が違うんですよ。
それがすごくおもろくて。

例えば、学者先生の場合は、
統計数字や世界のシステムとの違いがどーたこーたと、
大局的な見地からの話になるので、
全く「個」がみえてこない。

なので、読んでるこっちとしても、
多数の傾向はとらえられても、個々の事情は棚上げだ。

まさに高級官僚のお仕事もこんな感じなんでしょね。


一方、現場で、個々の加害者とむきあってる調査官や弁護士、
児童相談所やカウンセリングセンターの方などは、
事例の一つ一つからみえてくるものについて書かれる。

そのため、それぞれの立場によっての論となってしまう。

だからもし、この本が、調査官だけ、弁護士だけの本だったら、
ものすごく偏ったものになったような気がするが、
書き手が多岐にわたっているため、
大局的見地のものもあれば、局地的見地のものもあり、
非常におもしろく興味深い内容となっている。

それぞれがそう長くもない論文ってのもいい。

広く浅く、加害者についての知識を得た後、
自分が更に専門的に掘り下げたいところをみつけるという、
入門書的なものなのかもしれない。

ま、これは腐人が勝手に思ってるだけの話。

ってのも、本文中によくでてくるんだが、
「この書籍の主要な読者は心理学関係者」らしい。

え?そうなの?

腐人はタイトルと章立てみて、おもろそーと思った、
興味本位だけの読者なんで。

すんませんねぇ、想定外が読んで。


で、読み終えての感想ですが。

上記のように、この本はいろんな立場の書き手がいる。
共通してるのは、加害者に関係する、というだけ。

にもかかわらず、1つ、ものすごく共通してみかけた言葉がある。

それは、「加害者の被害者意識の強さ」だ。

いわゆる非行少年、虐待者、DV加害者、ハラスメント加害者、いじめっ子など、
本書には、いろんな「加害者」がいるのだが、
どんな加害者であれ、対峙して話をきくと、
「自分は被害者だ」的意識をすごく感じられるらしい。

それが、そもそも心の根底にあるので、
加害者たちは、自分がやったことについてなかなか認識できず、
いわゆる量刑にむすびつく「反省」や「謝罪」がでてこないがゆえに、
マスコミによって、
「こんな事件をおこしたのに反省すらしないモンスター」とされる…
とゆー感じのね、
そういう記述を、各所でよくみかけた。

特に、発達障害の場合、
一般社会が感じてることと、当事者の感覚の乖離が激しいがゆえに、
検察にも理解してもらえず、重い量刑が下ることもある。

有名なとこでは、先日でた大阪の事件。

なるほどねぇ。

こないだのアレもそうじゃないのかなと
腐人は勝手ににらんでるが。
そーいやアレ、報道がぴたっと止まったな…。



ただ、すごーく率直なところをいえば、だ。

前も書いた気がするが、
加害者になるかどうかってのは、自分の意思、選択だろう。
結婚や出産と同じく。

それは、自分の意思や選択ではどうすることもできない
生老病死とは違う。

と思えば、腐人は、加害者を更生させる意味がわからない。

ま、これは腐人が、
「人類とは、地球上で最低最悪最凶の害獣で、
 とっとと一匹残らず駆除されたほうがいい動物である」
というスタンスだってことも関係してるとは思う。

でも、だ。

前に書いた気がするが、
被害者が生きたいと思ってたのに
加害者によって、生きる権利を奪われたならば、
加害者を同じ目にあわせて何が悪いの?と思うのだ。

そりゃ冤罪はあかんで。

でも、加害者が正しく加害者であるならば、
被害者が奪われた権利と同じものを、
加害者から奪うべきじゃないのかなぁ。

ここで加害者の更生と言われると、
死人に口なしってこと?
死んでしまった人は、なにやっても生き返らないしねってこと?
結局は、生きてる人間のことしか考えてないってこと?
とか思っちゃうんだよな。


ただ、だ。

腐人がこの本をよんで、へーと思ったものの一つに、
刑罰の逆進性、ってのがある。

逆進性という言葉は、消費税でよく使われるが、
要するに、恵まれた人と恵まれない人とを比べると、
恵まれない人に重い負荷がかかる状態のこと。

富裕層にとって、消費税が5%から10%になろうが、
罰金が10万から50万になろうが、大した話じゃないからポンと払って終わるが、
貧困層にとっては、消費税が1%でもUPしようものなら、重たい負担となり、
10万はもちろん50万なんて罰金は到底払えず、
労役場留置となって刑務所に収容される、
そういうこと。

よく負の連鎖とかもいいますが、
結局、恵まれた人はより恵まれて、
恵まれない人はより恵まれない状態になる。

だからか、受刑者の職業やIQといったものを調べると、
無職や、知的障害の基準とされるIQ70以下の比率が高い(ある統計では約25%)。

また、虐待者やDVやハラスメントの加害者は、
自分の生育環境の影響が強い…ってなのをみると、
じゃぁ、結局、一番あかんのは、
親になる資格がないようなんが子供つくるんが悪いんちゃうん?
ってな気になってくる。

いや、でも、本書の中にもあるが、
そういう生育環境だからといって、皆が皆、
加害者になるわけでもないのだ。


そんでもって、
羅川真里茂さんの『朝がまたくるから』にあったような、
加害者になることを選択した理由が理解できるものならば、
また、発達障害や精神疾患という理由があるものならば、
どう対峙すればいいんだか。

いやー…これ、正解ないでしょ、って気になる。


そういえばこの「犯罪の理由」だが、
腐人自身が裁判に関係した経験からしても、
裁判とは罰を決めるところであって、真相を解明するとこじゃない、
のはわかっている。

でも、それがなんでかってのはいまひとつよくわかってなかったんだが、
刑事裁判の弁護士さんが書かれたものに、
弁護士さんが加害者をどのような視点でみているか、
ってことを書いたものがあり、
なるほど!こういうことだったのか!と目からうろこがポロポロ落ちた。

要するに、今の日本の法廷ってのは、
「治療的司法」でもなければ「問題解決型裁判所」でもない。

動機や被告人がどういう人でどう思って行動したのか、などは全く重要視されず、
「相対的応報刑」、つまりやったこととその結果に対して、相応の罰を下す、
それを目的にしている。

もっと言えば、
行為主義(客観主義)と行為者主義(主観主義)ってのがあるそうで、
今の日本は行為主義を原則としつつ、その範囲内で行為者の特性を考慮する、
っちゅースタンスらしい。

詳しく知りたい人は、本書を読むか、刑法理論をご自身で調べてくだされ。


で、これがですな、裁判員裁判によって変化したというのだ。

裁判官に検察官に弁護士っちゅー、
法の専門家同士の討論が裁判だった頃では、
皆、この前提を知ってるから、
「これこれこういうことをしてこういう結果になったんで、
 んじゃ、量刑こんくらいでどや」
「でも、被告人には、こういう事情があるから」
「じゃ、こんくらいは?」
って話だった。

でも、裁判員裁判の場合、素人さんですから、
そんな法の理論なんぞ知らぬ。

なので、「どうしてそんなことをしたの?」が気になるのだ。

その結果、それがわかれば、比較的量刑が軽くでて、
逆に裁判員に理解できる形でそれを示せなければ、
量刑が重く出る傾向があるという。

へー。


…いかん、この調子でやっとると、延々おわらない気がしてきた。

だって、どの論文もおもろいんだもん!
腐人の興味を惹きまくりなのだ。


なので。
以下、読んでて、ほっほーと思ったとこだけを
自分用アーカイブにまとめることにする。

興味ある方は、本書読んでね♪
こないだのドイツの刑法本よかずっと読みやすくておもろいです。


●いじめ

日本では、「いじめられた子」へのカウンセリングが中心だが、
むしろ「いじめる子」の精神的問題が元凶。

よって、アメリカでは、いじめ加害者に対する教育的カウンセリングを
システム化していて、
『なぜいじめられるのか』から『なぜいじめるのか』を問うべき。

「教室は たとえて言えば 地雷原」


→発達障害のある非行少年への対応が応用できるんでは?
 (この少年らへの対応は、ものすごく細心の注意を払ったものになるので、
  かなり割愛して、一般に転用できるものだけ書いてます。
  ご興味ある方は本書をどうぞ)

「もう二度としません」を誓わせるのではなく、
自分の行動の結果を考える練習に繋がる指導が必要。

「またやった場合と、もうしなくなった場合を比べて、
 自分と周囲との人間関係がどう違うか考えてみよう」


本人との面談では、六法全書を活用し、
やったことが、加害行動、つまり犯罪であることを認識させる。

言い訳を連ねられても、理由のいかんに関係なく、
行為と結果で、処罰されるものだと教える。

口頭だけで指導するのではなく、説明のメモをとり、
それや六法のコピーを渡す。

なくしても、ここにあなたに説明したという原本があるからね、と。


●法がらみ

民事裁判→原告と被告
刑事裁判→検察と被告人

逮捕→送検後、起訴がきまるまで→被疑者
起訴後→被告人
有罪確定→犯人

民事→法廷開催の日を「弁論期日」
刑事→〃 「公判期日」

刑事弁護人の職務は、冤罪の防止。そこに「量刑」を加える人もいる。

自白事件→罪をあらかじめ認めてる事件
否認事件→事実や法律論を争う事件

治療的司法
→当事者主義、弾劾主義型に代わる新しいモデル。
犯罪者の抱える問題や犯罪の背後にあるものを解決することで
社会安定をめざす

例:薬物、DV、虐待、脱依存

アインシュタイン
「問題をつくりだしたときと同じ考え方では
 その問題を解決することはできない」


●その他(腐人の興味をひいたもの)

IQ統計
80~89以下が7割だが、
110から119、120以上、テスト不能という層が5%ぐらいある。
テスト不能って何!?

満期釈放受刑者の帰住先は年々「その他」が増加し、
配偶者が減っている。

DV加害者更生プログラムで、
「暴力目撃が子供にあたえる影響」で、
母親が暴行をうけてるときの子供の表情のビデオをみせたあと
加害者たちに討論させると、
たいてい「子供としての自分の被害について語る」で終わる。


なんかもっといっぱいひっかかったものがあった気がするが、
まぁ、こんくらいでやめとこう。

この問題の難しさ、複雑さ、
それでもなんとかしようと頑張っている現場。

そういうもんが感じ取れる1冊でした。

(285)一般本 『加害者臨床』 廣井亮一

以下も読書録。

●30日
(289)BL/ホワイトハート 『龍の激闘、Dr.の撩乱』 樹生かなめ
  で、メギツネの死体は確認したんでしょうか。
  その一節はどうにもみつけらんなかったんですけど。

  まーそれが本筋の本じゃないっちゃーそうなんだが、
  甘いなぁ。いろいろと。

  腐人だったら、そもそもが違う手法をとってるな。
  なんもできないほどのバカなら金でいいんだ。
  もしくは、理性でわかるほどの頭があるか。
  ならば、生かしていても害はない。

  じゃなくて、損得を計算できる理性も知性もないくせに、
  変な猿知恵と実行力だけがあるのは、一番面倒。

  そーゆーのは、変な芽を出す前に潰しとくに限ると思うがなぁ。
  金で片付いたと思ってるのは、男尊女卑的思考の結果、
  人を見誤ったとしか思えんな。

  若くて綺麗な女なんだから、別に自分が手を汚さずとも、
  いくらでもやりようがあるだろうに。

  で、あーしてこーしてと考えてたら、
  あまりの黒さに、ここにはかけないことに気付く。
  わはははは。

  やりませんけどね。
  腐人、いい子だから。

  ところで、ヤクザで思い出したが、
  田原総一朗さんが暴排法関係でY組で講演会をするっちゅー件、
  ありゃどないなったんかいのぉと思って調べてみたら、
  中止になったそうで。

  あらあら。
  
  理由は体調不良だそうで。

  ふーん…。
  ま、このネタはこんくらいにしておこう。


  どーでもいいですが、網でとったら密漁ですよ、樹生さん。

(290)BL/ルビー 『くされ縁の法則 (7) 逆光のリバース』 吉原理恵子
  忘れちゃおりませんでしたが、
  忘れられてると思ってました、ええ。

  腐人は前科をいろいろ知っておりますので。

  でもって、巻末に『子供の領分』が載ってて、
  あら、ちゃんと憶えてるんだと思いましたよ、ええ。

  うわーチクチク嫌味だな、腐人。

  だってさー、どんだけぶり?
  なのに、また新キャラでてくるし。

  っつか、君、冷静に考えてごらん?
  遺伝子ってのがあるわけだからね?
  自分の半分を、客観視したら、答えなんぞ自ずとでるやろが!

  ああ、痛いぞ、中2…。

  でもって、今回おもったけど、
  テッちゃんって、好き嫌いはっきり出すのね。
  結構、意外だったな。

  でもま、これまでのこと思えば、
  うんざりもするのかな。


  で、次回、乞うご期待!だそうですが、
  その前にお伺いしたい。

  「次って、いつですか~?」
[ 2013/03/31 ] 腹黒読書録 | TB(-) | CM(-)
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